2013/08/12 【アンチエイジングのレシピ】
睡眠と老化は、実は深い関係にあります。きちんと良質な睡眠をとらないでいると、老化の進行を早めてしまうのです。
睡眠の本来の働きは、体を休め、疲れを回復させることです。睡眠中に体の中では、成長ホルモンが分泌されます。この成長ホルモンは何も若い時にだけ出るものではなく、ただ単に身長を高くするためだけのものでもありません。成長ホルモンは、体を中から回復、修復してくれるホルモンなのです。
年齢を重ねた体は疲れやすいため、若い時よりもしっかり睡眠をとらなくては、成長ホルモンが体を回復することができず、結果体の内部から老化を早めてしまいます。
睡眠で7歳もの差が出る老化の仕組み
きちんとした睡眠をとらないと、人の体は疲れやすくなります。日々の疲れが溜まっていくと、日常生活でも体を動かすことが困難となり、脳が働きにくくなったり、肌が荒れ始めます。このようなすべての症状が、実は老化現象なのです。
ロンドンの科学者たちは、この老化と睡眠の実験を5年間にわたり調査しました。その結果、睡眠が多すぎる場合にも、少なすぎる場合にも老化が進むとの実験結果が出ています。人間にとって理想とする睡眠時間は約7時間で、その睡眠時間差の影響で、脳や身体的老化におおよそ7歳ほど差が出てくることが明らかになりました。
寝ているのにスッキリしない……シニア世代の悩みを解決
睡眠時間は、年を重ねるとともに変化していきます。睡眠時間が最も長いのは新生児で、高齢になればなるほど睡眠時間が短くなります。また同時に、睡眠の質自体も低下していきます。
実際に時間が短くなってくるのは、ノンレム睡眠です。ノンレム睡眠とは、脳を休息させる夢を見ない睡眠時間のことで、年を重ねていくと、このノンレム睡眠が極端に短くなっていくのです。
シニア世代の方の間で寝ているのに、寝不足の感覚が残るのはノンレム睡眠の時間が減っていることが原因なのです。
レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返すことで人は深い眠りにつきます。実はこのノンレム睡眠は4段階の過程があり、老化が進行してくると最も深い睡眠部分から減っていってしまうのです。老化による睡眠障害は年を重ねるごとに深刻になり、睡眠障害と診断される方の数も増えていきます。
老化を進行させないためには、睡眠時間よりも「良質な睡眠をどれだけとるか」ということが重要になってきます。
良質な睡眠をとるには、食べ物などで睡眠効果を高めることが大切です。「トリプトファン」という栄養素が良質な睡眠をとるのに効果があります。主に大豆などの豆製品、ナッツ類(アーモンドやヒマワリの種)、肉類に多く含まれています。
こういった成分を多く含む食品を積極的に摂取して、良質な睡眠をとるよう心がけましょう。