2013/08/16 【お墓と供養】
周りをよく見てみると、最近では一昔前と違い、墓石の形も千差万別になってきました。お墓の大きさや形、石の素材に特別な決まりはなく、自由に選ぶことが可能です。
しかし、お墓を設置する墓地によって、大きさや形が決められていることもあるため、確認することが必要となります。墓地による制限がなければ、墓石の形は自由につくることができます。最近では故人にちなんだものを墓石とする方が増えてきました。「故人」を偲び語り合えるお墓として、想いをいろいろな形に表現される方が多くなってきているのです。
墓石のデザインは様々! じっくり検討することが大切
墓石の形はいろいろありますが、まず思い浮かぶのは昔からある和型墓石ではないでしょうか? 「和式角柱型」と呼ばれる台石の上に竿石を立てたものが最も標準的な形です。
最近増えてきているのが、洋型墓石です。全優石の全国調査でもここ数年デザイン墓を含めた洋型墓石は、和型墓石を10%以上も上回っています。地震の影響もあるかもしれませんが和型墓石に比べ、低く安定感があり、明るくモダンな雰囲気があることから人気があります。台石の上に低い安定感のある横幅の広い竿石を乗せたもので、形は台形や半円状などさまざまなものがあります。
また、従来の一般的な洋型墓石ではなく、おしゃれな洗練されたレディーメイド洋型墓石も人気があり、霊園によっては、サンプルデザインを展示しているところもあります。
さらに、お墓の形に決まりがないことから、生前にご自分のお墓を建てる方や、ご先祖ではなく身近な家族のお墓をお考えの方は、自分たちの想いを形に、形式にとらわれない個性あふれるデザインを墓石に望まれる方が増えてきました。趣味や職業などをモチーフとして墓石を自由にデザインするデザイン墓も、近年ではたくさん見かけるようになりました。
『お墓』の標準的なあれこれを知っておこう
単純に墓石といいますが実はたくさんのパーツから成り立っています。それぞれ名称も役割も違います。
ただしあくまで一般的なケースなので、必ずしも全部用意しなければならないことではありません。
1)石碑(和型石塔)
上から順に棹石、上台石、下台石と呼ばれています。中でも石は位牌同様、ご先祖が宿る大切な部分で仏石と呼ばれることもあります。正面には「○○家の墓」または宗派のお題目を彫られる方が多いようです。
2)芝台・拝石
芝台には宗教的な意味はなく、構造上石碑を支える役割があります。また、納骨室の上部としての役割も担っています。
拝石は墓前にしいてある石で、手を合わせる場所でもあります。取り外しができ、多くは納骨室の入口となっています。最近では芝台と拝石が組み合わさっている形式も増えています。
3)灯篭
仏教の教えを大切にしているのがこの灯篭です。仏様にお供えする灯明で、邪気を祓うという役割も担っています。
4)霊標(墓誌)
戒名や俗名お亡くなりになられた日などを刻む石です。石塔自体に刻むことができない場合にはここに記します。家訓などを刻まれる方もいます。
5)巻石(外柵)
墓地のまわりをぐるりと取り囲むのがこの巻石です。敷地を区切る役割はもちろんのこと、あの世とこの世を分ける結界を担う意味を持つ石です。外壁には入口を作り、そこから出入りするとともに石塔を守る柵の役目も果たしています。また、自分の墓所の範囲を示す役割も果たします。
6)玉垣
やはりこれもあの世とこの世の結界的意味合いの石で、家で例えると石垣の役割を担っています。
それぞれ意味役割は異なりますが、すべてが組み合わさって墓石と呼ばれています。最近ではバラエティーに富んだ墓石の中から選べますので、自分に合った、予算に見合ったお墓を選ぶことができます。
購入をお考えの方は、じっくりと考えいろいろなものを比べてみるといいでしょう。