2013/10/18 【明日を楽しむレシピ】
吹き矢は世界各地で、古来より狩猟の道具として用いられてきました。筒と矢を使用することで、獲物を獲得することができる、リスクの少ない狩猟方法として広く用いられてきました。
今日では、その吹き矢をスポーツとして、楽しめる競技があるそうです。考案したのは、一人の日本人医師だとか。1980年代に新潟県の開業医が、肺機能を活性化する健康法として、吹き矢をアレンジしたのが、今日の『レクリエーション吹き矢(スポーツ吹き矢)』の原型でした。
医師が考案したスポーツなだけあって、単なるスポーツとしてだけではなく、楽しみながら健康増進を図れるようにできています。
そんな一石二鳥のレクリエーション吹き矢についてご紹介しましょう。
競い合うより、楽しんで
使う道具は、矢と矢を吹くための筒の2つです。ルールは筒を使って、点数や色のついた的を狙って矢を飛ばす、というシンプルなもの。基本的に使うのは腕と矢を吹く息だけなので、足の不自由な方や体力に自信のない方も楽しめます。
スポーツとしてのレクリエーション吹き矢の歴史はまだ比較的浅いものです。そのため上下関係があまりなく、みんな等しく楽しめるので、初心者でもすぐ楽しむことができます。
道具も吹き矢用の筒と薄いビニールフィルムでできた安全な矢があれば、始められます。服装も特別なユニフォームはないので、準備が簡単である点も始めやすいポイントです。
厳格な作法やプレッシャーもないので、初心者の方でも安心して楽しむことができます。
実際に楽しんでいる方にお話をうかがったところ、レクリエーション吹き矢のやりがいは、成果がすぐ目に見える点にあるそうです。的に刺さった矢の得点で、自分の成果が見えるため、達成感を味わえるとのことです。
また、上下関係がなく年齢差も気にならないので、競い合うというより励まし合ったり、互いの成果を褒め合ったりと、皆で楽しめる雰囲気が好きで、続けていると語っていました。
楽しみながら健康に! その健康効果とは
レクリエーション吹き矢には、楽しみながらいつの間にか健康になれる魔法が隠されています。それは競技スタイルにあります。矢を筒から吹いて飛ばす時に、腹式呼吸を行うので、ゆったりとしたエクササイズができます。大きく息を吸うことで脳の一部である延髄が活性化するとともに、胸筋が強化され、心肺機能の向上が見込まれます。他にも腹式呼吸は脳に十分な量の酸素を送り込むことができ、脳の活性化にもつながります。
腹式呼吸以外にも、筒を口に咥えることで、自然と口の中のストレッチが行えます。そのため唾液の分泌が促され、口腔を清潔に保つためのケアになります。
また無心になって的を狙うことで、平常心が養われ、集中力の向上にも効果があります。
ルールはシンプルですが、その中に多くの魔法が隠されているなんて、驚きですね。
最近は競技人口が増加し、日本各地で行われてきています。各協会では体験教室を随時行っているそうです。
健康増進に役立つ呼吸法を身につけるとともに、ストレス解消や口腔ケアにも役立つレクリエーション吹き矢。体力に自信がない方や足が悪くてスポーツを諦めていた人も、楽しむことができます。弓矢より手軽で、ダーツより身近なので、始めやすそうですね。