2015/06/15 【明日を楽しむレシピ】
一般的に、コレステロールは低いほうがよいとされています。そんな中、中年を過ぎるとコレステロール値が高いほうがよいとされる意見もあることをご存じでしょうか。今回は、コレステロールと健康の関連性について紹介していきます。
コレステロールと脳卒中は関係ない?
脳卒中は、昭和26年から昭和55年の間、死亡原因の1位となっており、古くから日本人を悩ませてきた疾患です。そして、高いコレステロール値が招く脂質異常症は、この疾患の原因のひとつだと言われています。
しかし近年、脂質異常症と診断された方のほうが、そうでない方に比べて、脳卒中の死亡率が低くなるとの研究が日本で発表されました。海外でも、コレストロール値が高い方が長生きするとの報告があり、これらの研究結果から従来の通説は間違っているという可能性が示唆されています。
年齢によって危険因子は異なる
コレステロール値が高い方が、脳卒中のリスクが低いのであれば「全ての人はコレステロール値が高いほうがいいのか」と考える方もいるでしょう。しかし、病気の危険因子は年齢とともに変化するため一概には言い切れません。
例えば、中年と中年を過ぎた患者の危険因子を比較した研究では、コレステロール値が与える病気への影響度は、加齢により低くなる結果が得られています。つまり、コレステロール値が健康に及ぼす影響は年齢によって異なり、中年は従来通りその摂取に気をつけなければならないのです。
一方で、中年を過ぎた方は近年の研究による説が当てはまります。そのため、中年を過ぎた後には、コレステロール値に対して神経質になる必要はないと言えます。
コレステロールを適度に摂取しよう
上記の研究を裏付けるデータとして、コレステロールを豊富に含む乳製品や肉類、卵、魚などの摂取が増加した昭和40年代以降は、脳卒中死亡者が激減したという研究結果があります。中年以降はコレステロールを意識的に摂取するのも選択肢となるでしょう。
コレステロールを効率的に摂取するレシピには「生卵入りシラス丼」があります。卵と小魚の内臓にはコレステロールが豊富に含まれており、一般的には摂取を控えるようにいわれますが、中年を過ぎた方には適度な摂取がおすすめです。さらに、シラスは100gあたり約500mgものカルシウムが摂れるとされ、骨粗しょう症などの疾患までも予防することができます。
コレステロールは、必要とされる量が年齢と共に変化するため、中年を過ぎた方は一定の摂取が望ましいと言います。中年時には、気にしていた方でも、その時期を過ぎたら積極的に摂取するように心がけましょう。