ペットを飼う人が年々増加しています。近年「動物愛護」という考え方が広く行き渡り、「ペット可物件」の需要と共に、「ペット霊園」の数も増加の一途をたどっています。その背景には、愛するペットと一緒に暮らすだけでなく、最期も一緒に眠りたいと考える人が増えているということが考えられます。
ペット霊園自体は増加傾向にあるものの、ペットと一緒に入ることができるお墓はまだまだ少ないようです。その理由は墓地や霊園管理者から、ペットを埋葬することに対して許可をもらわなければならないからです。お墓の持ち主が勝手にペットを自分の墓地に埋葬することはできません。誰もが動物を同じように愛しているのであれば問題はありませんが、実際はそうではなく、動物が苦手という人もいます。
また、動物に対する感情の相違、宗教に基づく考え方の違いなどから、許可がおりないケースもあるようです。
一般的に、公営の霊園はペットと一緒に入ることができるお墓がまだ少ないと言われています。一方で民間の霊園は、檀家さんたちのニーズに伴い、新たなサービスとして「ペット可」を打ち出しているところが増えているようです。その場合は、周囲の目を気にすることなく、堂々とペットを埋葬することができます。
「ペット可」の霊園の場合、利用規約にその旨が記載されています。現在はインターネットで検索してみるだけでもいろいろな情報が出てくるので、気になるところがあれば、まずは気軽に問い合わせをしてみるよいでしょう。
ペット可のお墓の場合、墓石にペットの名前を入れられるもの、足跡を入れるものなど、さまざまなものがあります。今後もニーズに伴い、ペットの供養にターゲットを絞ったサービスは増えていくことでしょう。
現在、自分たちのお墓がある霊園や墓地が「ペット可」ではなく、一緒に埋葬することができなくても、ペット専用の供養塔に入れてもらえる霊園や寺院なども出てきています。供養塔は同じ園内にあることがほとんどなので、一緒にお参りすることができるというメリットがあります。気になる方は、一度確認してみるとよいでしょう。
現在はペットの火葬も、立会個別火葬・一任個別火葬・合同火葬などさまざまな種類があります。飼い主の方はまず「どのようにペットを見送りたいか」という心の整理をすることが最優先かもしれません。
このように、ペット好きな人にとって、ペット霊園が増加傾向にあるのは喜ばしいことだと思います。ただ、ペット霊園を選ぶ際は十分に注意が必要だということを忘れないでください。
最近では新聞でもよく報道されていますが、ペットを火葬するときの煙や匂いがトラブルに発展するケースや、常識では考えられないことですが、一部の悪徳業者はペットの遺体を不法投棄したり、法外な金額を請求してきたりする事件も実際に起きています。
残念ながらペット霊園に関する法律はまだ明確に定められていません。だからこそ、利用者が事前に情報をつぶさに調べ、確認事項を細かくチェックしていく必要があります。生きているときも、亡くなってからもペットを守ることができるのは、飼い主自身に他ならないのです。
ペットの埋葬が可能な霊園は、こちらのページでお探しいただけます