石文化対談

お墓づくりと家族の絆

お墓づくりの原点と全優石

第8回全優石お墓コンテスト大賞受賞のお墓。お墓を建立した姉妹とそのお子さん。

吉田:全優石は結成されてから20年になる組織です。お墓は一般の方にとって普段馴染みの薄い商品ですよね。しかも当時は墓石に価格表示をしている石材店はほとんどありませんでしたから、いざお墓を立てるとなると情報不足で価値判断が出来ず、不信感を持たれておられる方々がたくさんいらっしゃることが調査でわかりました。そこで、いつでもどこでも安心してお墓づくりをして頂ける安心の目印を作ろう、そして旧態依然とした古い体質から脱皮して、経営の近代化というか、レベルアップを図っていこうという目的でこの組織を結成したんです。ですから真っ先に店頭展示の墓石への価格表示、組織全体でのお客様をお守りする保証書の発行など業界に先駆けて実行すると共に、自分たちの時代にふさわしいお墓を求められる方に、きちんと対応した仕事の出来る墓石店になろうじゃないかと活動を続けてきました。

ところが昨今の業界は、お墓づくりの質やサービスが顧みられなくなりつつあります。その背景にあるのは中国製品の流入です。中国製品が悪いわけではありません。問題なのは墓石専門店しか取り扱えなかった墓石が、中国製品の流入とともに誰でも扱えるようになったことです。そのため墓石の加工技術や専門知識を持たないブローカーや俄かづくりの石材店が急増したんです。

しかし、お墓は受け継がれていくもので、石材店の一番大事な仕事は、墓石を売ることではなく、墓守りをすることなんです。お墓は10年の買い物なんですから。さもないと新しい仏様ができて電話したら、もうその石屋さんがいなかったとか、補修を頼もうと思ったら連絡がとれないなんていうことになるんですね。事実全国の消費者相談センターにこのようなクレームが多く寄せられているんです。お墓には機能性がありません。求められるのは心の満足です。私たちはお墓の大切さを啓蒙し、お施主様の故人への想いや追憶の気持ちを大切にしたお墓づくりをしていかなければならないと切実に思っています。

ただ、お墓で大切なのは家族の結束なんだという先生のお考えからしますと、私どもがリードしてきましたニューデザインのお墓は、先生にお叱りを受けるかもしれませんね。

加地:はいはい(笑い)。

吉田:たしか先生とお知り合いになったのは、私が主宰しておりました「石文化サロン」でお話をしていただいたときだったと思います。

加地:港の方のホテルでしたね。

吉田:そうですね。先生をはじめ石にかかわるいろいろな分野の識者にお話を伺う会を開いていました。その中で、デザインとか設計に携わっておられる先生方が、お墓の設計やデザインを頼まれることがあるというお話しを聞き、興味を持ちました。これは新しいお墓のニーズなんじゃないかなと。そこで新しいお墓のデザインを懸賞応募して、入選作の模型を作って消費者の皆さんに見てもらいましたが、全く評価を得られず、やっぱりお墓の形は実際に設計家の先生にお墓のデザインを頼まれている方がいるわけですから、諦めきれなかった。そこで考えたのは、お墓のことを知らない人が、単なるお墓の形をデザインしてもだめなんだ。
現代人にとってお墓とは何かをしっかり勉強した上でデザインしてもらわなければと彫刻家の先生方と1年間お墓の勉強会をして、そのあと発表したら、こんどはものすごい反響があってびっくりしました。もう15年前のことになります。やっぱり新しいニーズがあったんだなと確信しましたが、業界のお歴々からは、何を考えているんだ、お墓をこんな形にしちゃってとお叱りも受けました。

加地:もちろん私は、これからのお墓の形は全てニューデザインだなんて思ってもいません。伝統的な三段型の墓石や代表的な供養塔である五輪塔などは日本の墓石文化であり、むしろ大切にすべきだと思っています。
ただ、故人の供養塔としてのお墓づくりをされる方の他に、自分の死後の住まいづくりとしてのお墓、この世の生存の証としてのお墓づくりをされる方が近年増えているんです。これからの方は、従来型ではどうも辛気くさい、自分好みの自分らしい形の墓石を建てたいと望まれるんですね。私たちはこの新しいニーズにお応えしなければならないと思っていますので、これからはお施主様の想いをお施主様と一緒に形にするという新しいサービスが必要だと考えています。
ところが、これに対してお墓は宗教や宗派に従って建てるもの、門外漢が考えるニューデザインなどは受け入れられるものではないと言われる先生がおられます。私は、お墓の原点は供養の心であって、墓石の形ではないと思っているんです。7万年前のネアンデルタール人が、死者にお花を手向けていたという事実が考古学で明らかになっていますが、これがお墓の原点だと思うんです。確かに現在建てられている三段型の墓石は、当時仏塔として意義づけをされたお墓ですが、すでに形骸化していますし、仏教イコール墓石ではありませんよね。もしそうなら仏教伝来依然のお墓は何なのでしょうか。お墓は人間の心の中に自然に発生する哀悼の気持ち、死者への追憶の気持ちを形にした祈りの造形だと思うのですが、このあたりについても先生のお話を伺いたいですね・・・・・。
ただ、先生の言われる「家族イコールお墓」となると、「死後の住まいづくりとしてのお墓」という考え方は、ちょっとまずいんでしょうか・・・・・(笑い)。

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