2014/03/18 【アンチエイジングのレシピ】
普段何気なく飲んでいる「日本茶」。忙しい合間を縫って「お茶で一服する時間が安らぐ」という方も少なくないでしょう。このように昔から多くの人に愛飲されている日本茶ですが、世界中で高まる健康志向と相まってセラピストや医療関係者などがその効果に注目しています。
中国ではお茶は薬として使われていた
実はこの日本茶には体に良い多くの成分が入っているにも関わらず、その実態は案外知られていません。今回は、日本茶の魅力と効用について見ていくことにしましょう。
さて私たちが口にしているお茶の発祥地は諸説ありますが、「中国雲南省からインドのアッサム地方にかけての山地」というのが有力な説の1つとなっています。古来中国では、薬としても利用されていたようで、漠方薬の基礎を築いたと言われている「神農帝」は、草や木の薬効を調べるために自らの体を使い、一日に何度も毒にあたったのですが、その度に茶の葉を用いて解毒したという話が伝えられています。
臨済宗の開祖・栄西が持ち帰り普及
日本では「815年(弘仁6年)4月22日、僧永忠が嵯峨天皇に茶を奉った」というものが最古の記録と言われています。当時お茶は大変貴重なものでしたが、その後、臨済宗の開祖である栄西が中国の宋から多数の経典とともにお茶を持ち帰りました。栄西が持ち帰った当時のお茶は今の抹茶に近かったようです。江戸時代になり、煎茶が庶民にも普及しました。
歴史のある日本茶ですが、世界中の人々が認めるその効用にはどのようなものがあるのでしょうか。
がん抑制効果、血圧上昇抑制、糖尿病予防など多くの効用
まずは「ガンの抑制効果」が挙げられます。緑茶に含まれているポリフェノールとカテキンが細胞のガン化を防ぐとともに、緑茶に多く含まれるビタミン類が発ガン物質の作用を抑制するとのこと。米国の研究では、「発ガン物質と日本の緑茶を一緒に飲ませたマウスは、発ガン物質だけのグループに比べ、ガンの発生率が50以下になる」という実験結果も出ています。さらに緑茶には、血圧上昇を抑え、善玉コレステロールを増やすことで動脈硬化を予防することも明らかになっています。
このほか、ストレスを和らげるビタミンCも豊富に含まれていることから、日常のイライラといったストレスを解消する効果、口臭予防や虫歯予防、記憶力の向上、糖尿病予防などその効用の多さに驚かされます。
お茶を飲むなら茶葉の持ち味を引き出して美味しくいただきたいものです。入れ方として、普通の煎茶ならやや高温のお湯で渋みと旨み成分を引き出す。玉露なのであれば、低温のお湯でじっくり時間をかけて。また玄米茶やほうじ茶は、高温のお湯で香ばしさを引き出す。こんなところに手を加えて、ぜひお茶を楽しんでみてください。