2017/10/03 【アンチエイジングのレシピ】
現在、推定患者数が約1200万人とも言われる、骨の強度が落ちてしまう病気「骨粗しょう症」。高齢の女性に多くみられ、70代以上の女性では、2人に1人が患者であるとも言われています。女性はもともと男性に比べて骨量が少なく、閉経により女性ホルモンが低下することも一因とされています。初期にはあまり症状もないために、骨折をして初めて判明するということも少なくありません。
<高齢者は骨折が原因で寝たきりになることも>
脳卒中やがん、心臓疾患のように直接的に命に関わる病気ではないため、どうしても「骨」のケアはおろそかになりがちです。
しかし、骨粗しょう症によって最も骨折しやすいのは、背骨、大腿骨(足の付け根)、手首や腕の付け根という、動きの基幹をなす骨なのです。
こうした「キーポイント」の骨を折ってしまうために、一度の骨折で寝たきり、いわゆる要介護の状態なってしまうというケースも決して少なくありません。
また転んでいないのに背骨が体重で折れてしまう「圧迫骨折」も、骨粗しょう症患者は発症しやすく、そのために身体が曲がってしまうこともあります。
腰や背中が曲がったままの生活は臓器にも影響を及ぼし、他の病気を引き起こす原因にもなります。
<健やか老後のためにもまず骨密度測定を>
このように骨粗しょう症が原因でさまざまな身体的な不自由が生じはじめると、QOL(クオリティオブライフ=生活の質)は著しく低下し、歩くことはもとより、食べること、話すことなど、生活の楽しみそのものが奪われていく原因にもなります。
最近の病院では骨密度測定器が導入されています。大病院に限らず、町のクリニックでもコンパクトなものが普及し始めています。かかりつけ医にご相談いただき、ぜひ定期的な骨密度測定を受けてください。
医師からの適切なアドバイスを受けることで、薬の処方はもとより、食事や日常生活の改善でも骨粗しょう症を予防することができます。
元気な「骨」を維持して、シニアライフを思い切り楽しみたいものです。