命日やお盆、お彼岸など年に数回はお墓参りをされるのではないでしょうか。お墓をきれいに掃除し、お線香やお花、故人の好物を供えて冥福を願い、読経を唱える。 「そのくらい当たり前にできている」と思うお墓参りですが、ちょっとしたマナー違反を犯してしまっていることもあるようです。
お墓参りの服装は、年忌法要など特別な場合でなければとくに決まりはありません。清潔であまり華美ではない服装であれば問題ありません。お墓周辺の掃除も行いますので動きやすい服装でよいでしょう。
しかしご先祖様の霊にお参りすることを考えますと、敬意を表するという意味で、ショートパンツやビーチサンダル、タンクトップなど肌を出し過ぎたくだけたファッションは避けたほうがよいでしょう。
広い霊園などでは、子供がはしゃいで騒いだり、走り回ったりしてしまうこともありますが、あくまでも故人が眠る墓地であることを忘れないようにしましょう。
他家の方が静かにお墓参りしている場合は迷惑にもなります。
他家のお墓にものを立てかけたり、手をかけたりするのももちろんNGです。 また故人がかわいがっていたペットをお墓参りに連れて行くケースも増えていますが、お寺や霊園によっては、動物類は墓地に入れない場合もあります。
連れて行く場合でも粗相のないように抱いて行く、他の家の墓地内には絶対に入れないなどのマナーを守ることが大切です。
いきなりお線香やお花を供えるのではなく、まずは墓石と墓地周辺をきれいに掃除しましょう。墓地や霊園に掃除用具が用意されている場合もありますが、あらかじめタオルなどを持参するほうがよいでしょう。
仏様にお供えする花は、故人の好きだったもので構わないのですが、トゲのあるもの、毒のあるもの、またツルのあるようなものは避けた方が無難です。
また、地方によっては椿のように花がまるごと落ちるものを嫌うところもあるので注意が必要です。
お供えした食べ物や飲み物をそのままにすることもNGです。染み出た成分が墓石を汚し落ちにくいシミになってしまいますし、カラスなどの動物が食べ散らかす可能性があります。
お参りが終わったら必ず持ち帰りましょう。
お墓にはご先祖がいらっしゃいますし、お寺はご本尊がいらっしゃる場です。
日常、目上の方とお会いするときにどんな服装をするか、どのような振る舞いをするか、そういったことを基準に考えると、おのずとお墓参りのマナーも見えてくるのではないでしょうか。