2013/09/06 【お墓博士の一言】
国立教育政策研究所が首都圏の小学生を対象に行った調査で、仲間外れ、無視、陰口といった 「いじめ」を受けた児童と加えたことがある児童がともに9割近くに上がったという記事が日本経済新聞の社会面に大きく掲載されていました。
子供たちは暴力を伴わないこうしたいじめを日常的に経験しているわけであり、自殺へと追い込んでしまういじめの温床が蔓延していることが浮き彫りにされています。
この状況に対し、国立教育政策研究所は、暴力を伴ういじめには「早期対応」、暴力を伴わないいじめには「未然防止」が有効だとし、教員向けのいじめ対策の手引きを作成、全国の小中学校に配布することを決定したと記載されていました。
しかしそれでは根本的な解決にはならないのではないでしょうか。大事なことは首都圏の小学生9割がいじめをした経験を持っているという事実です。そのいじめをする子供たちに、「早期対応」「未然防止」を行ない、それはいけないこと、してはならないことと諭し、叱り、教えることは確かに必要なことだと思いますが、より重要なことは、何故いじめをする子供が増えているのかを掘り下げ、何を為すべきかを考えることなのではないでしょうか。
私は小学校へ上がる前の幼児期の情操教育の欠如にも一つの要因があるのではと思います。 “人様に迷惑をかけるんじゃないよ”、“お天道様はいつもお前を見ているんだよ”、“お前の今日があるのはご先祖様あってのことだよ”、“ご先祖様への感謝を忘れたら罰が当たるよ”、皆さんはこういうことをいつ教わりましたか。それは小学校へ上がる前の幼児期に、祖父母或いはご両親から教わったのではないでしょうか。その教えが心にあった皆さんは、いじめなんかしなかったのではないでしょうか。
ところが、核家族化そして共稼ぎ社会となった今日、子供たちの人間形成に最も大事なこの時期、多くの子供たちは保育所に預けられています。仕方がないことかもしれませんが、仕方がないではすまされません。親として無責任です。
そこで小学校へ上がる前のお子さんをお持ちの方は、出来るだけ早い時期からお子さんをお墓詣りに連れて行って頂きたいと思います。お墓は精神の触れ合いの場です。子供たちに人としての正しい心の在り方を諭してあげてください。お墓にはそれにふさわしい佇まいがあり、子供たちは素直にその教えを受け入れることでしょう。そしていじめなんかしない良い子に成長することでしょう。