「お墓を建てる」と決めたら、墓石を探す前にまずは墓地を決めましょう。墓地によっては霊園指定の石材店がある場合や、墓石の大きさ、デザインに制限を設けていることもあるからです。「大きな墓石にしたい」「目立つ墓石にしたい」と思っても、規定によって個人の自由にはならないこともあります。
墓地が決まらないと墓石を決めることはできません。石材店に相談する際は、墓地の制限や規定をもとに、各人のニーズと予算に合わせて決めていくというプロセスを経ることが一般的です。墓石の種類は多数あるので、「安いから」「大きくて目立つから」などといった理由で安易に墓石を選ぶことはやめましょう。
新規にお墓を建立する場合にかかる費用を具体的に見てみましょう。
購入時点 | 「永代使用料」+「墓石工事費」 |
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購入以降 | 管理費」(1年ごと、3年分、5年分など運営母体によってさまざま) |
「永代使用料」は「土地代」に近いものがあるため、都道府県・市区町村によって平均相場が大きく変わるところが特徴です。一般的には、20万~200万円が相場と言われています。下記はあくまで目安ですが、首都圏南部での相場を見てみると次のようになります。
東京23区 | 160万~200万円 |
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東京23区外 | 40万~60万円 |
神奈川県 | 40万~60万円 |
千葉県 | 20万~40万円 |
埼玉県 | 30万~50万円 |
こうして見ると、東京23区が飛び抜けて価格が高いということがよくわかります。一般的に、東京23区の中でも都心になればなるほど高くなります。分かりやすいところで一つ例をあげると、東京都の一等地にある青山霊園では、平成27年度募集区画の永代使用料の最低価格が約420万円、値段が高い区画では1,000万円以上のものがありました。都心でなく郊外の霊園や墓地でも、駅から近くなどアクセスのよい場所や有名な寺院では価格が高くなるところもあるので事前に確認しましょう。
「墓石工事費」も平均相場が100万~300万円と幅があります。ちなみに、全優石の「2014年度お墓購入者アンケート調査」によると、墓地取得費用を除いた墓石の購入金額は、100万〜200万円代が48.9%と過半数を占めています。次いで50万〜100万円が24.4%、200万〜300万円が15.2%でした。墓石工事費は、石材の種類や量、加工の方法、文字やイラストなどの彫刻によって大きく料金が変わります。一般的に、墓地の区画が広ければ墓石も大きくなるので料金も割高になります。
墓石で使われる石材は御影石が中心です。一般的に、白御影石よりも黒御影石のほうが割高になっているようです。目安として相場をあげると1平米の墓石をつくった場合、白御影石は約120万円、黒御影石は約220万円になります。
このように料金が変わる主な理由は、石材の硬さなど性質が異なるからです。硬い石は柔らかい石に比べて、切り出すのに時間と手間がかかります。一般的に、白御影石は硬度が低く軽いものが多いので、加工や施工がしやすく料金が割安になります。一方、黒御影石の多くは、硬度が高く重いため、加工や施工に時間がかかり、割高になるというわけです。
最後に、「管理費」の平均的な相場は、1年間で約4,000円~15,000円ほどのようです。