ご遺骨を納める施設を「納骨堂」と呼びます。納骨堂という形態が現れたのは昭和初期頃だと言われています。当初、お寺の境内で一時的にご遺骨を収蔵する施設でしたが、その後次第にご遺骨を恒久的に祭祀するためのものとなっていったようです。場所を取らず、比較的安い費用で済むことから、全国的に増加傾向にあるようです。 一言で「納骨堂」と言っても、じつはさまざまなタイプがあります。屋外型の他に屋内型として、主に、1.仏壇型、2.ロッカー型、3.墓石型、4.コンピュータ制御型等のタイプがあると言われています。
それぞれがどのようなものか、簡単に説明すると次のようになります。
1.仏壇型
「霊廟型」とも呼ばれるもので、仏壇が横並びになっている形式が一般的です。上段が仏壇になっていて位牌を安置することができます。下段には遺骨を納めるスペースがあります。他のタイプと比べると割高なことが多いようですが、仏壇に遺影やお花を飾ることができるなど、個々の空間が比較的広く自由に使えます。
2.ロッカー型
ロッカーのようにずらりと並んでいる棚に骨壺を納めるタイプです。お参り用に設置されたご本尊にお参りするパターンと、お参りの際に納骨壇を開いてお参りするパターンの2種類があるようです。料金が安いので人気がありますが、人によってはコインロッカーのイメージと重なるため、見た目を気にされる方もいるようです。
3.墓石型
霊園と同様に墓石を並べる形式が一般的です。その外観から、「室内墓地」と表現されることもあるようです。屋外の墓石と異なり、風雨にさらされるなどして傷が付きにくいところは利点と言えるでしょう。お花やお線香をお供えできるところも多いようです。
4.コンピュータ制御型
最新型の納骨堂です。さまざまな形式がありますが、契約時に配られる専用カードを機械に通すと骨壺やお位牌がお参り用のスペースに自動的に出てきて、個人個人のお参りができるようになります。なかには、スクリーンに遺影が映し出される所や、24時間いつでもお参りできる所もあるようです。
屋外型納骨堂は屋内にあるため、悪天候でもお参りをしやすいという利点があります。宗旨・宗派、国籍を問わないところが多く、寺院墓地のように檀家になる必要がない場合が多いのも特徴の一つです。一方で、お彼岸などの参拝者が多いときは故人との語らいがしにくい面もあります。一般的には、通常のお墓を新たに建てるより安い費用で済むようですが、納骨堂までのアクセスが便利だったり、設備が立派だったりすると、墓石を購入するよりも高価になってしまうこともあります。
さらに選ぶ際には、運営母体の考え方、利用上のルールなどを事前に確認しておくことが大切です。納骨堂は多くの場合、一定の契約期間(30~50年が目安)が定められています。その期間が経過すると、合祀されることが多いようです。価格や期間、規定などは運営母体によって違うので、比較検討しましょう。