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- お墓博士(全優石会長 吉田剛)の一言 -

寅さんのお墓参りしてきました

2015/03/03 【お墓博士の一言】

先日見るとはなしに渥美清さん演じる「男はつらいよ」をテレビで久し振りに見ました。日本人の誰もが寅さんイコール渥美清さん、渥美清さんイコール寅さんになってしまっているのではないでしょうか。画面に映る時代錯誤の雪駄を履いた陽気な寅さんはもうこの世にいない…、そう思うと渥美清さんイコール寅さんの動作や喋りの一つ一つが今までとは違って心に響き、映画に引き込まれました。

そして無性に寅さんに会いたくなり、お墓を訪ねてきました。お墓は亡き人と精神が触れ合える場所だからです。墓所は新宿御苑から歩いて15分位のところにある源慶寺というお寺様の墓地にあり、ごくごく普通の三段型の墓石に「田所家の墓」と彫られていました。本名田所康雄さん以外は何も情報を持たず、ナビを頼りにお寺様に行ったものですから、お墓が見つかるかなあとちょっと心配でしたが、それほど広い墓地ではなかったので端から探していきました。一番奥のところまで行き、やっぱりお寺様にお聞きしないと無理かなと思った時、お花が供えられているお墓が目に入り、行ってみると墓石正面に田所家の墓、側面に故田所康雄と彫られていたので間違いなく寅さんのお墓でした。

私は墓前に額ずき、「寅さん!お参りにきました」と語りかけました。すると「あんた、どこのどなたさんかしらないけど、よくきてくれたなあ!」とあのひとなつっこい笑顔と寅さん節で返事が返ってくるのかなと思ったら、さにあらず「ここは寅さんの墓ではありません、田所康雄の墓です。お引き取り下さい」と少々無愛想な返事がお墓から返ってきました。

寅さんこと渥美清さんの素顔は、寅さんのイメージとは全く異なる方だったようですね。あの気さくでわいわい騒ぐのが大好きというイメージとは正反対で、どちらかというと孤独で、人との交わりを避ける方で、ロケ先での共演者や地元の協力者による宴席などには一度も顔を出したことがなかったそうです。公私混同を極端に嫌い、自宅の住所も誰にも教えず、結婚式も誰にも知らせず親族だけで挙げた為、仕事仲間でも独身だと思っていた人が多かったそうです。そしてこれらは全て渥美清=寅さんのイメージを壊さないためにしたことだろうと言われています。

こういう方だから、ここは寅さんの墓ではないとお参りを断られたような気がしましたので、私はお詫びして田所康雄さんとしばしお話をしました。墓前に額ずいていると、人から聞いた話、本で読んだことなどが次々と想い起されてきました。小学校時代は病弱で様々な病を患っていたこと、25~6歳の頃肺結核で右肺を切除されたこと、世に出るまでの苦難の日々、それらを乗り越えて日本人なら知らない人がいない名作、「寅さんシリーズ」全48作に27年間にわたって出演され、私生活を一切明かさず寅さんになりきった役者魂とその生き様に心からの賛辞と敬意をお伝えしました。

役者魂と言えば、42作目あたりから病(癌)を押しての出演となり、44作目ではスタッフからの挨拶に答えることさえ辛くなり、やがて立っていることが難しくなり、座ったまま動かないシーンが増え、最終作48作目に出演できたのは奇跡だと主治医が言ったそうです。

もしお墓がなかったら、寅さんへの想い、渥美清という俳優のすざましい生き様を振り返り見ることはなかったと思いますし、出来なかったことでしょう。
お墓は亡き人を忘れずにいつまでも語り継ぐ為にも、この世に生きる人の心の拠り所としても大切なものですね。





 

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