2016/01/17 【終活のレシピ】
筋力が衰えてくるとわずかな距離でも疲れを実感し、外出がおっくうになってしまうこともあるかもしれません。一度外へ出るのが嫌になると、さらに筋力は衰えてしまうものです。そんな悪循環を断ち切れるようにと、電気を使わずに使える歩行支援用アシストスーツが登場しました。
世界初の歩行支援スーツが誕生
広島大学が中心となって開発しているアシストスーツが、2015年11月30日に発表されました。太ももに装着すると歩行時にかかる筋肉への負担が10%ほど軽くなるそうです。
靴の裏にポンプが取り付けてあります。歩くことでできる圧縮された空気が、筋肉に沿うように作られた人工筋肉のチューブを収縮させ、筋肉をアシストしてくれます。低い空気圧でも人工筋肉として働く樹脂を用いていることが特徴です。空気の力を用いた人工筋肉は今までにも存在しましたが、世界初の電気や機器を一切使用しないアシストスーツということで話題になっています。
現在の課題は実際に使う場合の耐久性です。今後はリハビリ支援やスポーツへの活用を想定し、2020年頃までに実用化を目指すそうです。
人工筋肉はリハビリの現場でも活躍
人工筋肉は日常生活の支援、またはリハビリによる機能回復を目的に利用されています。日常生活の支援を目的とする場合、立ち上がりが難しくなった人の動きを支えることが狙いです。リハビリの現場でも、脳卒中になった方の手指の機能回復を目的として活用されています。
人工筋肉の支援システムが抱える課題は、簡単な操作ができるか、簡単に装着できるかなどが挙げられます。今回登場したアシストスーツはシンプルな構造が強みで、この問題も解消でき、多くの方が活用できるのではないかと期待が寄せられている状況です。
凛とした姿で街を歩く人は、年齢を問わずかっこよく見えると思います。ビシっとした服を着こなして歩いていると、周囲から見て若々しい印象を与えることができるはずです。今後、アシストスーツが実用化されたら、ぜひとも街を颯爽と歩いてみてはいかがでしょうか。