2020/02/25 【快適くらしのレシピ】
2月も中旬を過ぎ、もう間もなく3月3日、桃の節句を迎えます。すでに雛人形を飾られているご家庭も多いのではないでしょうか?
また、子どもの独立や引っ越し、飾る手間が大変などの理由で飾らないご家庭もあり、「収納したままの雛人形をどうしようか」と悩む方も多いようです。
<雛人形が飾られるようになった理由>
雛人形は平安時代の貴族の子女が楽しんだ「ひいな遊び」に、その起源があるといわれています。
また昔は乳幼児の死亡率が高く、無事に成長することは親にとって悲願でもありました。
そこで質素な人形を作り、枕元に置いたり川に流すなどして、子どもの穢れや厄をその人形に移し災厄を祓う風習がありました。
その後、時代とともに人形はだんだんと豪華なものに代わり、お内裏様やひな壇を設けて美しく飾ることで厄を祓う形となっていきました。
このように雛人形は子どもが健康に優しく育ってほしい、幸せになってほしいという親や周囲の願いが込められたもの。だからこそ、手放すときにも子どもたちを守ってくれた人形には心を込めてお礼をしたいものです。
<ぜひ人形供養を>
人と同じ姿かたちをしている人形には、魂が宿っているという言い伝えが日本にはあります。雛人形にかぎらず、ぬいぐるみや着せ替え人形のような玩具でも、古くなってきてもなかなか処分しにくい、かわいそうでできない、というような声をよく聞きますね。
雛人形の供養は、お寺で一年中受け付けている場合と、年に数回期日を決めて供養祭として開催されている場合があります。
また人形メーカーなどが人形感謝祭というような形で実施していることもあります。
お寺の場合は、宗派によっても違いがありますが、人形を並べて、読経をあげ、供養をしたあとにお焚き上げをしてくださいます。最近では、環境問題に配慮して供養後に焼却施設に運ぶこともあります。
いずれにしても、丁寧にご供養をしていただけるので、安心して、お世話になったお人形とお別れすることができます。
ものを慈しみご供養する心というのは、どんなものに対しても大切なことです。ご先祖に対するご供養の心と同じように、感謝とお礼の気持ちを込めて送り出してあげてください。