2013/07/29 【快適くらしのレシピ】
日本の医療費の増大に歯止めがききません。医療費の抑制などを目的に、2008年に改定された高齢者医療制度ですが、思うような効果が出ていません。むしろ、懸念事項ばかりが目立っています。
依然として多額の医療費負担が、現役世代に重くのしかかっています。日本の医療費は37兆8000億円(2011年度)となり、この10年間に右肩上がりで増加し続けています。
医療費はなぜに膨らみ続けるのか
医療費増大の大きな原因の一つに、少子高齢化があります。高齢者の人数が増えると、どうしても掛かる医療費も比例して増えてしまいます。70歳以上の医療費が全体に占める割合は、2001年度が38%でしたが、2011年度は45%まで上がっています。
また、医療費が増加したもう一つの要因として、医療技術の進歩によって、高額な効果の高い治療方法や新薬が出てきたことも挙げられます。特にがん治療では、新薬の開発や新しい手術方法の進歩は目覚ましいものです。
厚労省保険局は「医療費の単価が上がっている。どの年齢層でみても、毎年2%程度伸びている」と指摘しています。
そこで政府も、高齢者医療費の削減案を模索しています。今年の4月には麻生太郎氏副総理兼財務相が、「70歳以上で、一年間に1回も通院しなかった人には10万円を支給する」という驚きのアイデアを提案し、話題を集めました。
この意見には賛否両論ありますが、うまく機能すれば3兆2000億円も抑制できる可能性がある、という見方をしている専門家もいます。
超高齢化社会へ向けて、現役世代も高齢者も納得できる負担の仕組みが求められています。膨らみ続ける医療費問題を解決する糸口は、日本のこと、ひいては自分自身のことを考えると、病気にならない丈夫な身体づくりにあるのではないでしょうか。病院にかからない元気なシニアが増えることで、医療費削減へつながりますし、自己負担している医療費も軽減できます。
健康増進5カ条
近年は病気を未然に防ぐ、予防医学という分野も注目されています。病気になってから治すのではなく、未然に防ぐという考え方です。
医療の出費を抑えることができ、健康な体で時間も有効に使えます。
多くの健康なシニアの方が行っている5カ条をご紹介します。
●ポイント1 少し汗をかく程度の、簡単な運動を週三日やる
●ポイント2 栄養バランスのとれた食事をとる
●ポイント3 十分な睡眠を確保。理想の睡眠時間は一日7時間。
●ポイント4 ストレスを溜めない生活をする。溜めてしまっても場合は早めの解消を
●ポイント5 最低年に1回は健康診断を受け、できるだけ病気の早期発見を目指す
以上5項目は、ちょっとした心掛けでできることばかりです。まずは、1つ始めてみてはいかがでしょうか。
食生活、運動、睡眠、生活習慣などを改善し、病気にかからない身体作りを目指すことで、医療費の掛からない健康な生活を送りましょう。