前回(2016年2月~6月)に続き、石澤先生からの「再度現地での技術指導にご協力頂きたい」との要請を受け、会員の皆様へご協力を募ったところ、下記の通りご支援を頂くこととなりました。
活動状況等は、今後当ページの他、全優石公式facebookページでも発信していきますので、是非ご覧ください。
2016年の技術指導の様子が現地現場にパネル掲示されています。
7月13日~23日まで全優石・世界遺産アンコールワット参道修復工事支援作業に従事された静岡県 ㈱石井石材 石井 良様より現地報告が届きました。
※感想については届き次第、ご紹介させて頂きます。
7月3日~13日まで全優石・世界遺産アンコールワット参道修復工事支援作業に従事された静岡県 ㈲村田石材工業 村田社長様、㈱イワサキ石材 岩崎社長様より現地報告が届きました。
日本から飛行機で僅か7時間足らずの所に、文化も歴史も異なる国カンボジアがあります。つい最近まで内戦があった国。
飛行機から降り立った時は、南国特有の匂いと湿度、しかし思った以上の暑さは感じられませんでした。
上智大学の方にお迎えに来て頂きホテルに向かいました。
途中見る景色は、昭和初期の日本を彷彿させるような、家々が立ち並び、まだまだ発展途上の国なんだなと、改めて感じました。
この地でこれから生活をする、楽しみと不安。やはり現地で1番不安なのは、水と食べ物、その不安は後に的中するのですが…。
日本からもカップ麺や缶詰などのインスタント食品をこれでもかというほど持ち込みました。
ホテルは流石に5つ星、発展途上国とは思えない造りとスタッフの対応、朝の食事も特に問題ありませんでした。
作業はアンコールワットを囲む参道の修復。そこに使う階段石?石はラテライトと砂岩。石と言うより土の塊、叩くというより削るといった方が正しいかもしれません。
普段花崗岩に慣れている私達にとってやや厄介な石でした。
まずは慣れる事が大切だと、ひたすらラテライトと格闘。現地のやり方と日本のやり方をミックスしながらコツをつかみました。
二日もすれば慣れたもので、現地の方とコミュニケーションをとる余裕もできました。
アンコールワットを囲む参道を修復するには、今の方法では100年掛ると言われました。
昔に近い技法を取り入れた技術継承も大切ですが、先進国の援助であれば、先進国なりの指導もできるのではと感じました。
今は多くの先進国がこの遺跡を修復しています。他国の力がカンボジアを発展させるのではなく、当国が危機感をもち、観光と遺跡の修繕を考え、
先進国と力を合わせて後世に伝えていくことが大切だと感じました。今回このプロジェクト参加できたこと、僅かではあるが足跡を残せた事、石屋冥利に尽きます。 そして、上智大学の皆さんや現地の作業員の方々には大変お世話になりました。有難うございました。
2017年7月3日から12日までアンコールワット参道修復事業に参加させて頂きました。
今回のお話をいただいた時、石工として世界遺産の修復事業に携ることができる貴重な機会が巡ってきたと、大きな喜びを感じました。
実際にカンボジアに到着してみると、暑い。日差しが出ると暑い。
修行時代は毎日石を叩き、毎日加工をしていましたが、最近は石を叩くことは正直少なりました。
こんなに暑い中、一日中現場作業をすることが出来るのだろうか…僅かな不安がよぎりました。
しかし、その不安は杞憂に終わりました。毎日朝早く起き、支度をして現場に向かいます。
現場に到着し作業を始めてみると、さすが、毎日作業しているだけあって、現地の方々は上手です。負けていられるかと、子供のように自然と熱中し、何も考えずただひたすら石を叩きました。
ラテライトという石を、真っ直ぐに加工すること。これが私たちが毎日行った加工です。
現地の方々と言葉は通じませんでしたが同じ職人同士、作業をしていくうちに心が通じ、仲良くなり毎日楽しく作業をさせてもらえました。
日曜日は現場作業がお休みということでしたので、世界遺産の見学に行かせてもらいました。言葉に出来ない程素晴らしい石仏、石造りの数々が眼前に広がっている光景に目眩を覚えました。
今回アンコールワット参道修復事業に参加させていただいたことにより、現在まで形を変えることなく残ってくれていたものへの感謝と、これから先の未来へ少しずつ修復を重ねながら、
残していくことの使命を私達が負っているということを肌で感じることが出来ました。
上智大学の職員の皆様、現地の皆様。
大変お世話になりました。
そして、貴重な体験をさせていただきありがとうございました。
昨年の4月19日~29日まで全優石・世界遺産アンコールワット参道修復工事支援作業に従事された静岡県 石井石材社 石井社長様に今年も支援作業へご協力を頂きました。
また同日で、静岡県 吉川石材社吉川社長様も現地にて上智大学特任講師として、現地での支援作業へのご協力を頂きました。
※お二方の感想については届き次第、ご紹介させて頂きます。
昨年の3月1日~19日まで全優石・世界遺産アンコールワット参道修復工事支援作業に従事された山形県 かん石材 菅社長様が、今年も支援作業にご協力を頂きました。
昨年に引き続き(3月1~20日)、今年の(3月20日から31日)まで、地元カンボジアの石工さんたちと一緒に仕事をしてまいりました。
参道修復ということでの参加ですが、お国柄なのでしょうか、まだまだ参道修復工事の仕事までは時間がかかりそうです。
昨年も、堀の工事に使うラテライト石を割れ刃で毎日削る仕事をしてきましたが、今年も昨年同様、石削の作業をして来ました。
石工の皆さんは、当地山形県新庄市の気質と似て、とても親切で優しく面倒を見てもらってきます。
現場のメンバーは昨年と同じで、マチという私の息子と同じ年の若者が親切に面倒を見てくれて助かります。
10日前に4人目の子供が生まれたということで(4人とも女の子)、お祝いを持ってマチの家にバイクに乗せてもらい、夕飯をごちそうになりながら遊びに行ったりしてきました。
食事は、朝食はホテルのビュツフェを食べ、昼食は今年も石工さんと一緒に飯場で食べてきました(4食で1ドル)、米とスープのご飯ですが、なかなか喉を通らない。
1個400kgの石を人力で動かして作業にかかりますが、昼からは、腹が減って力が出ない。夕食は町に出かけて食事をとりますが、外人向けの食堂に行くと日本と同じ料金です。
あちこちの遺跡も案内して見学させてもらいましたが、どこの遺跡も痛みがあり、世界中の国から修復工事に参加していますが、終わりのない作業に思います。
この工事に参加させて頂いたこと、感謝いたします。
昨年に続き2月1日~28日まで全優石・世界遺産アンコールワット参道修復工事支援作業に従事された秋田県 吉野石材店 吉野社長様、2月1日~10日まで支援作業に従事された同社 田中様より現地作業の様子が届きました。
※吉野社長様、田中様からの感想については届き次第、ご紹介させて頂きます。
1月16日~31日まで全優石・世界遺産アンコールワット参道修復工事支援作業に従事された青森県 (株)石乃店のづき 立崎様、佐々木様より現地報告が届きました。
平成29年1月、極寒の青森からカンボジアへ。昨年、先陣で先輩方が行かれた時よりはかなり涼しいとのことでしたが、青森の真夏より高い気温。
到着早々に不安を感じましたがいざ現場に着くと、言葉は通じなくとも目の前の石と向き合い作業することは同じ、次第に現地の職人さんたちとも身振り手振りでコミュニケーションがとれるようになっていきました。
機械を使わず手作業での削り出し、石工道具もいろいろと準備していきましたが、普段使用したのは羽ビシャン、両刃など。現地の職人さんたちも道具を工夫してつかっているようでした。
暑さで昼食ものどを通らなくなり、汗でびしょびしょになりながらも一日の作業を終え、赤茶けたラテライトの石粉で汚れた作業着を見ると体はクタクタですが充実感でいっぱいになりました。
日本でも機械のない時代はこういう手作業でみんな頑張っていたんだ、と感心しながら目の前の石と格闘していく。終わってみればあっという間の2週間でした。
世界遺産であるアンコールワットに自分の手を入れることができ、この機会を与えて下さった上智大学・石澤先生、全優石事務局の方々、野月社長、ありがとうございました。
現地に着き、アンコールワットを見渡すとその凄さ、素晴らしさにしばらく見入ってしまい、体を動かすことができませんでした。当日作業する前に参道の石崩れの現状を見学させてもらい、修復には相当時間のかかる作業だな、と感じました。私の仕事は主にラテライトの切削とその指導でした。
作業の前に全優石のビブスを着ると、前年度に修復に行かれた全優石の方々の印象、教え方がとても良かったので作業もスムーズにはかどり、言葉は通じなくてもすぐ現地の人と仲良くなり一緒に作業が出来ました。
この遺跡の修復はあと何年かかるか分かりませんが、自分が参加することができたことに感謝します。そして早く元のアンコールワットに戻ってくれればと思います。