2013/12/20 【明日を楽しむレシピ】
独特の風味と香りを持つ燻製品。皆さんの中にもスモークハムやスモークチーズ、スモークサーモンなどの燻製が大好きという方もいらっしゃると思います。ほとんどの方は、既に加工された商品を購入して楽しまれていますが、最近では既製品では飽きたらずに「自分だけの燻製を作る」という方が増えています。燻製というと、広い庭で大掛かりな装置がなければ作れないのではと思いがちですが、自宅でも簡単に作れる鍋なども発売されていて、今では手軽に自分だけのオリジナル燻製が作れるようになっています。
長期保存のために生まれた燻製
そもそも燻製は、太古の昔、食品を保存する方法に頭を悩ませていた人々が「焚き火のそばで干し、煙がかかっていた肉や魚に保存性がある」ことに気づいたのが始まりだと言われています。その後の研究で、燻製の保存性が高まるのは、肉や魚に煙をかけることで煙中の殺菌成分が食品に浸透し、細菌の増殖や、脂の酸化を抑え、さらに長い時間の燻煙によって食品の水分が減少することから長期保存が可能になることが分かりました。
元々はいかに食品を長期保存していくかということから始まった燻製。しかし、現在では独特な味や香りを楽しむためのものとしてその位置付けも変わってきており、豆腐、アスパラガスといったさまざまな食材を燻製にして楽しむ人が増えてきています。
燻製作りの流れ
燻製作りに欠かせないのが、サクラなど香りの良い木材から出る煙を食材に当てて独特の風味付けをし、煙中の殺菌成分などを食材に浸透させる加工技法である「燻煙(くんえん)」です。この燻煙には、加工する温度によって「熱燻」(80度以上)、「温燻」(30度から60度)、冷燻(15度から30度)の3つの方法がありますが、「温燻」が一般的に利用されています。
燻製作りの基本的な流れは、魚であれば内臓を取り除くなどの食材の下処理からスタート。下処理をした食材を塩漬けにし、次に浸透した食塩以外の食塩を洗い流す塩抜き、さらにその食材を風で乾燥させ、最後に燻煙を行います。
手軽に燻製ができる鍋やセットなども
燻製作りというと、この「燻煙が大変」だというイメージがあると思いますが、今ではキッチンでも簡単に作れる鍋や、スモーク用の木のチップなども全てセットになったキットも販売されていますので、手軽に燻製作りを始められるようになっています。
「寒い日には熱燗で一杯」という方もいらっしゃることでしょう。そんな熱燗の酒の肴に、自分が作ったオリジナルの燻製を並べると、いつもと違った晩酌が演出できますよ。