2013/12/30 【明日を楽しむレシピ】
かつて、お正月の光景といえば、女の子は「羽根つき」、男の子は「凧あげ」というのが定番でしたが、今ではあまり見かけなくなりました。とはいえ凧あげの魅力がなくなったわけではありません。「大空に浮かぶオブジェ」とも言われる凧の魅力と歴史を探っていきます。
揚げられる場所も少なくなり、見かけなくなった凧
一生懸命作った凧。いざあげてみようとすると、足の付け方や重心が悪いせいで右に左にぐるぐる回ってしまう。試行錯誤を重ねて調整した結果、風を受けて大空高く舞い上がっていく自作凧を見た時の感激は、言葉には言い表せないものがありましたよね。
そんな凧あげは、一時は電力会社が「電線に引っかかったら電力会社にご連絡ください」と広報していたほどの人気ぶりだったのですが、最近では安全に揚げられる広い空地や公園が減ったことから、その姿を見かけることも少なくなりました。昔からの風物詩が消えていくのは寂しい限りです。
中国から伝来した凧、江戸後期にはお正月の遊びに
そもそも凧あげの歴史は古く、千年以上前に中国から伝来したと言われています。中国では、占い、宗教、戦争の時に遠方にいる味方に連絡する手段などに利用されていました。その凧が入ってきた日本ですが、江戸時代前までは貴族の遊びであり、今のように一般の人が遊べるようなものではありませんでした。しかし江戸時代に入ると身分の差に関係なく流行し、イカの形や、装飾を施した豪華な凧など様々な凧が登場したといいます。江戸時代後期には正月の遊びとなり、江戸の人のみならず全国で親しまれるようになりました。
凧の種類は大きく分けて、浮世絵などが書かれている日本独特の「和凧」、ビニール素材などでできた三角形の「洋凧」、いくつもの凧が連なって大空高くあがっていく「連凧」があります。
手作り凧にチャレンジ
既に製品として販売されている凧で遊ぶのももちろん楽しいのですが、凧遊びの醍醐味はなんといっても手作りの凧です。重要なのは、凧の左右のバランスを整えることです。少しでもずれると右へ左へとぐるぐる回ってしまい、上手くあげることができません。 言葉を変えていえば、左右の調整が上手くできていれば、家庭にあるビニール袋などでも凧を作ることができるようです。
インターネット上には手作り凧のための情報サイトもたくさんありますので、参考にしてみるのもよいでしょう。また「興味はあるが材料を揃えるのが……」という方には、手作りキットも販売されています。お正月は久しぶりに凧あげに挑戦してみるのも楽しいかもしれません。