2014/12/21 【お墓と供養】
宗旨や宗派にとらわれず、完全に自由な形式で行われる自由葬という葬儀をご存知ですか? 背景には故人の個性を尊重したいという遺族の気持ちがありますが、参加者の中には違和感を覚える人もいるようです。そこで、自由葬の内容やメリット、デメリットを見ていきましょう。
自由葬とは何か
「自由葬」とは遺族が自由に作ることができる葬儀で「無宗教葬」とも呼ばれることもあります。葬儀の内容はさまざまで、音楽の生演奏を行ったり、故人の生前の映像を鑑賞したり、料理で参列者をもてなしたりという、個性的な葬儀があったります。
通常の葬儀の流れを汲むことなく、黙とうや音楽の献奏、スライド・DVD上映、ナレーション、お別れの言葉、献花などがプログラムとして存在し、お別れ会のような形で進んでいきます。
自由葬のメリット・デメリット
自由葬は、故人の歩んできた生き方を表現することができ、より故人を深く偲ぶことができるというメリットがあります。ほかにも、読経をなくして自由な時間を作り、さまざまなプログラムを入れることもできます。
しかし、注意しなければならないのは、自由葬への理解がそれほど浸透していないということです。親族や友人、会葬いただく故人の恩師や上司などに対しては、「自由葬」という慣れないスタイルで行う旨を伝えて理解してもらうのは、少々むずかしいところがあるかもしれません。
お寺での宗教儀礼に演出を加える自由葬を行う際には、お寺の了承を得る必要があることや、すべての葬儀社で対応していないこともあります。また、自由葬は弔い方の慣習が定まっていません。例えば「四十九日に変わるものはどうするのか」などといった問題もあります。凝った演出によっては、準備が手間だったり、費用がかかったりする可能性もあります。
通例の儀礼を執り行うことで、参列者が故人を偲ぶことができる場合もあります。自由葬を行う場合には、よく吟味し、周りの意見も取り入れながら進めたいものです。