2015/10/19 【アンチエイジングのレシピ】
厚生労働省の研究班は、奥歯をすべて失った高齢者は、全部奥歯が残っている高齢者と比較すると、動脈硬化が起きる可能性が約2倍に高まることを発表しました。
入れ歯にしてから食べ物を「おいしい」と感じなくなってしまったという話は良く聞きますが、奥歯がなくなると健康を害するというのには、どういった理由があるのでしょうか。
奥歯が失われると動脈硬化のリスクが倍増
動脈硬化は、血管の柔軟性が損なわれてしまうことで、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高める疾患の一つです。そのリスクを下げるためには、しいたけに含まれるナイアシン、えごまに含まれるα-リノレン酸、カキに含まれるタウリン、イワシに含まれるドコサヘキサエン酸などを摂取することが望ましいとされています。緑黄色野菜ではゴボウやニンジン、ブロッコリー、小松菜などいずれも歯ごたえのあるものばかりで、奥歯がなくなってしまうとうまく摂取できなくなるものが多いようです。
ヒトの歯は奥歯から失われてしまうのが基本
このように、健康のことを考えても重要な奥歯ですが、実はヒトの歯は普通、奥歯から抜けてしまう傾向にあるといいます。奥歯が失われてしまうと、残った歯で食べ物を咀嚼しなければならず、臼歯で噛むような硬いものや、大きなものが食べにくくなってしまいます。失わないためにも、日頃からのケアが大切だといえるでしょう。
さらに、奥歯が損なわれると、ほかの歯の噛み合わせも悪くなってしまうことにも注意が必要です。歯を失うことによって、スペースがぽっかりと空いてしまうと虫歯のリスクも高まり、隣の歯が動きやすくなる可能性もあります。それを防ぐためには、部分入れ歯などを活用して歯並びを崩さないようにすることが必要です。
厚生労働省は、歯が喪失してしまうのは、歯周病や虫歯が進行してしまったケースが一番多いと発表しています。日ごろから歯を丈夫に保つためにも、歯磨きをはじめとしたケアを忘れずに行うようにしましょう。また、健康管理のためにも、万が一歯が失われてしまった場合には歯医者さんに相談し、どのような食べ物でも食べられるようにしておくことが大切です。