2015/11/23 【アンチエイジングのレシピ】
とある大学教授が「ボランティアは認知症に対して効果がある」という意見を発表しました。認知症とは、脳細胞が減少したり働きが悪くなったりしてしまうことで、日常生活にさまざまな支障が出る状態のことです。
厚生労働省は2025年に認知症患者は700万人以上になると推定しており、この数字は予備軍も含めると65歳以上の約5人に1人に該当します。誰が発症しても不思議ではない時代に、ボランティアが有効な予防手段となり得るのでしょうか。
認知症になる原因とは?
ひと口に認知症といっても、原因疾患は多岐にわたり、一説によると100種を超えるとも言われています。ただ、そのなかでも「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」の2つは、認知症原因の約90%を占めています。前者はアミロイドβなどのたんぱく質が神経細胞を壊して起こる症状、後者は脳梗塞などで病変周囲の神経細胞が壊れて起こる症状だとされます。
これらの予防対策には、バランスの取れた食事、適度な運動、そして活発な精神活動が効果的です。なかでも精神活動に関しては、脳が活性化されるために認知症の諸症状を緩和できると言われています。
ボランティアで活動時間を増加させる
ボランティアは何かしらの目的を持って活動する上、多岐にわたる世代とのふれあいができるので、活発な精神活動を実現するには適した方法です。北名古屋市が実施するボランティアを例にとると、地域の住民とのふれあいをつくる「地域ふれあい食事会」、レクリエーションをはじめとした活動で親交を深める「地域ふれあいサロン」などの取り組みをしています。
このスタッフに年齢制限があるわけではありませんが、実際に携わっている方は高齢者が多いようです。元々ボランティアの活動目的には、高齢者の「閉じこもり」「孤立」を減らすことが掲げられており、それを高齢者の目線から身近な立場で実施するのは双方にとって大きな力となると言えます。自身の認知症を予防できるだけでなく、ほかの方々の助けになるような、まさに一石二鳥のボランティアに取り組んでみてはいかがでしょうか。