2015/12/28 【明日を楽しむレシピ】
最近、自動車運転による高速道路の逆走、アクセルとブレーキの踏み間違いなど、高齢者が起こす事故が急増しています。警視庁の発表によると、平成26年の交通事故発生件数は37,184件でした。そのうち20.4%が65歳以上の運転者による事故です。実は、平成17年の同調査は10.9%(事故発生件数80,633件中)に過ぎず、定年退職以降の世代による交通事故が問題になっています。
運転技術は年々低下する
65歳以上の交通事故率増加を受け、自治体によっては運転免許の自主返納を呼び掛けています。公安委員会では高齢者講習制度を導入し、70歳以上のドライバーの免許更新に対する注意喚起を行っています。しかし、運転免許の自主返納は進んでいないのが現実です。
自動車の運転技術は、年齢とともに低下すると考えられています。その理由は、動体視力や判断力が落ちるから。しかし本人は技術の低下を自覚しにくく、今まで同様の運転を行った結果、交通事故を招いてしまうケースがあると考えられます。
運転支援システム搭載の自動車が普及
運転免許の自主返納は、自動車を利用している方からすると生活の足をなくすことと同義です。
都心なら電車やバスが充実しているのでさほど生活に困りませんが、地方の方々は駅まで遠い、バスが1日に数本しかないなど、自動車がなくなると食材すら購入することができず、死活問題です。
とはいえ運転技術は年々落ちていきます。視力や反射神経も鈍ってきます。
そんな時に役立つのが、運転支援システムです。
交通事故の多くは、人間の不注意やささいなミスによって起こります。運転支援システムを搭載した先進安全自動車は、ミスや不注意を警告し、事故を防止することが可能です。
たとえば、交通事故になりやすい状況を蓄積したコンピュータと、周辺状況を測定するセンサーを搭載することで、警報を鳴らしたり自動操作を行ったりして事故を防ぎます。そのため、運転技術に不安がある運転者でも、交通事故を防げる確率が上がる見込みです。
運転するのはあくまでも人間
運転支援システムは、1991年に研究が始まってから、実に15年以上の歴史があります。すでに実用段階に入っているため、交通事故の減少に寄与することでしょう。
ただし、運転支援システムといえども完璧ではありません。
あくまでも“支援”に軸を置いたシステムであるため、たとえば「ブレーキとアクセルを踏み間違えた」というような場合に、それを自動で検出してストップさせる、というようなことはできません。
自動車の性能向上だけに頼るのではなく、運転者自身も細心の注意を払いながら運転することで、交通事故を防いでいきましょう。