2019/12/25 【お墓と供養】
今年も残すところあとわずか。一年があっという間に過ぎていきます。この一年の間にご家族を見送られた方にとっては喪中のお正月を迎えることになります。
どのように過ごしたらよいのか、してはいけないことあるのか、と悩まれている方もあるのではないでしょうか。
<喪中のお正月は「御祝いごと」を避け静かに過ごすのが一般的>
日本では古くから近親者が亡くなった時に、一定期間その死を悼み、身を慎むことをしてきました。たとえば、家の門戸を閉じ、宴会や会食を慎み、音楽や踊りと言った歌舞をなさず、祝言をせず、というようなしきたりがありました。
しかしこれらは慣習ではり、喪中に関する法律があるわけでもなく、服喪の気持ちは一人ひとり、家族ごとに違いますから、こうしなければいけない、という決まり事があるわけではありません。たとえば故人とゆかりの場所へ出かけたり、気持ち切り替えるために美味しいものを食べたりすることもあるでしょう。
慣習にこだわらず通年通りのお正月を迎えるご家族もあるようです。しかし、近しい人を亡くして新年を「お祝いする」ということは避けたい、派手なことをしたり、騒いだりせずに、亡くなった方を悼み静かに過ごしたいという方が多いのではないでしょうか。
<お墓参りで亡くなった方と一緒に新年を>
ここでは一般的な慣習として、喪中には避けていることを少しあげてみます。
おせち料理というのは新年をお祝いする料理ですから、喪中のお正月は避けることが多いようです。ただ、せっかくの新年ですから、故人への陰膳とともに、「おせち料理」にはせずに、美味しいものをいただいてはいかがでしょうか。
門松やしめ縄といったお祝い事を示す正月飾りは避けましょう。
また年賀状は賀詞(お祝いの言葉)を添えて出すものですので、喪中には不向きです。喪中に年賀状が届いた場合、また年賀状の代わりのご挨拶がしたいという場合は、松がとれてから「寒中お見舞い」と言う形で時候の挨拶を送られればよいでしょう。
もともとは新年を祝うものであった「お年玉」も、子どもが楽しみにしているものですから、お正月のお小遣いとしてあげてもさしさわりはありません。
寺院の中には喪中でも初詣ができるところもありますので、出かけてみてはいかがでしょう。
そして、ぜひ故人のお墓参りにお出かけください。
近親者を亡くして最初のお正月は、世間が華やかであるほどとてもさみしく感じます。
そんなときは、美しい花を携えて、お正月にお墓参りをしましょう。そこで故人と一緒に新年を迎えてみてはいかがでしょうか。とてもよいご供養にもなり、新たな年への決意も故人に届くことと思います。